僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

ブカブカブー

緊急提議。30代の男がちょいとしたおでかけの時に履いて当たり障りのない靴はなんだ。なんですか。そう靴。履物。以前、カバンで同じような事を問うた気がする。30代がプライベートで使用するに相応しいカバンは。と。あのときは結局ポーターのカバンを買ったのだけれど、30代でポーターか?ポーターなのか?という疑問が今も頭の片隅に残っている。みんなが的確なアドバイスをくれないから、そんな苦痛が頭を離れない。オマエが秘密を僕に明かさないから、毎晩毎晩コギャルが夢に現れて「ポーター?超ダサいんですけどー」と僕を嘲笑する。床や天井に空いた穴という穴から出てきて。モグラ叩き的に。でも、でも無理矢理正解だったことにしてる。ポーターで正解。だってホラ、吉田カバンて老舗だし作りがとっても良いのよ。そこを評価したわけよボキは。あとコミックMUJINが余裕で2冊収まるキャパシティー。なんなら万引き用でイケる。大正解ですよ。夢に出てくるコギャルもよく見りゃ半裸ですし。ブラチラコギャル。コギャルって何?
なによりそこそこの値段したので正解にしてもらわないと立ち直れない。これまでの人生カバンといえば高くてゴッパー、普通でサンキュッパ、だけども兄や友人の使い古しを貰って使うので買いません。ってゆー。そんなだったから。まあそんなだったからカバン一つ満足に選べないんだけど。とにかく。今回の議題は靴です。30代の自意識シリーズ第二弾「おでかけ用の当たり障りのない靴を教えてください自称オシャレ紳士ども」です。なんかちょっと、普段着よりは気持ちまともな格好をしなければならない状況ってあるじゃないですか。デート?とか?ガーデンパーティー?みたいな?はい僕の場合は主に「法事」ですけどハイ。スニーカーじゃなんかちょっと、って感じあるんですよ。35歳には。シックな感じの、スポーティーさを排したスニーカーとか、逆に最先端のハイテクスニーカーなら有りなのかもしれないけど、普段僕が履いてるスニーカーはアディダスのスーパースターという、むせ返るほどスニーカーなんですよ。絶望的な運動靴感。「スーパースター?超ウケるんですけどー」黙れコギャル!冷蔵庫から出てくんな!「さえない中年の履く靴の名前がスーパースターとは、こいつはとんだお笑い草だねぇ」誰だオマエ!コギャルじゃないなその口振り!だいぶスレッカラシだな!
ブーツ?もしかしてブーツなのか?完全に未開の森なんですけど。ただ男は油断すると北斗の拳のザコとかが履いてそうなゴツいブーツを購入してしまう。もはや防具じゃね?っていう。そういう傾向を男は誰しも孕んでいる。のだけれど今回のテーマはあくまで「当たり障りのない」なのです。さわる者皆傷つけるようなスパイク付きのブーツとかはノーサンキューなのです。「そのブーツ似合ってるね」とか言われる必要はないのです。むしろ「ブーツ買ったの?」とも言われたくない。無難。これが至上命題。ショボいと思われたくはないが、悪目立ちするくらいなら死ぬ。喉を掻き切って果てる。センス良いわ素敵☆と思われるに越したことはないがリスクは背負いたくない。これぞ35歳の自意識。鈍さに敏感であろうとする美意識。
うんそんな格好良いものでは全然なくて単に守りに入っているのだけれど、ブーツっていうとレッドウィングぐらいしか思い浮かばないのです。誰かアドバイスくれ。じゃないとポーターのカバンを持ってリーバイスジーパンにレッドウィングを履いた35歳が出来上がるぞ。全然憧れないわそれ。ブーツじゃないのかな。ブーツじゃないなら、うんマジで裸足にローファーとかしか思いつかないんだけど、何だおい大丈夫か。なんとか言えよコギャル。おいコギャル。コギャル、デートしてくれ。