僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

筋の通った拭き

朝、雨上がりの空の下で、塀の柵を雑巾で拭いているオバチャンがいてビックリしました。雨が降るたびに塀の柵拭いてんのかしら。朝イチで他にもっとやるべきことがあるんじゃないだろうか。いや、もしかしたら3時起きで家事その他諸々はすでに完了した上で拭いているのかもしれない朝7時半に?じゃなかったら柵が親の形見。だったら仏壇にでも飾っておけ。囲め。仏壇を塀の柵で囲め。
なんにしても、塀の柵を雑巾で拭くって、そのクリンネスの徹底ぶりがちょっと怖い。すごーくちゃんとした家庭できちーんと育てられてきたならばそうは思わないのかもしれないですが、掃除や整理整頓といった概念を父親の金玉袋の中に忘れてきてしまった上に、ゴミを撒いて数回振ったような家で暮らしてきたため、そんなフリフリポテトを地で行くような家で育ってしまったため、驚かずにはいられないのです。そんなことしてどうすんだよババア正気かよって。労力に対しての見返りが少なすぎるっていうか見返りゼロじゃね。って。雨ざらしでの柵の劣化よりも拭き過ぎによる劣化の方がことによっちゃ著しいんじゃね。って。もしかして柵にババアにしか見えない血痕が浮き出てきてたりするわけ己の不注意で死なせてしまった愛犬ラッキーの。その事件以来息子は口をきいてくれなくなりやがて不登校になりそのせいで夫との関係も悪くなり夫は外で愛人を作って頻繁に外泊を…。夫のいない朝、光子は今日も瞳孔開きっぱで塀の柵をゴシゴシゴシゴシ…。もうあの家の前怖くて通れないや。