僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

サンゴー

35歳になりました。なったというだけで別に何も変わらないんですけど、こないだ30になったような気がするのになーとは思います。月並みに。でもさすがにハタチはもう遠いね。じゃあハタチの頃から何か成長したのかと問われると、別に。変化はしてるけど成長はしてないんじゃないかしら。物事に対してハタチとして対応していたものが35なりの処し方になったというだけで、それを成長したとか大人になったとか言うのは15の頃の自分が許さないような気がします。盗んだバイクで走り出していた誰かをよそに拾ったスコラで抜き倒していたあの頃の自分が。あの頃は全てに興味を持ちながら全てに怒り全てに恐れ全てに悩んでいました。もし今、35歳の僕が15歳の頃の自分に合ったとしたら、僕はこう言うでしょう。「申し訳ないけれど、君が今抱いている疑問に対して僕はまだ答えを出せていない。けれど、今でも僕はそれについて考えることを止めていないよ」と。「あと、14〜15歳の女の子に欲情することに対して自分はロリコンなのかもしれないと悩んでいると思うけれど、君も15だからそれは別に問題ないよ」と。「今じゃすっかり若奥様って風情の女性の方が全然ムラムラするしガンガン目で追っちゃうから心配しないで。あーでも女子大生とかOLってのも捨て難いな。あとなんといっても、何といってもオジサンはパンツスーツが大好きだ!パンツスーツから浮かび上がるヒップラインがたまらなく好きだ!ツンと澄ましたキャリアウーマン気取りのガードの固そうな女ならなおさら最高だ!その竹内まりや症候群にだな、あのヒップラインにこう、カブトムシのメスを、メスだぞ絶対!メスカブをたからせてだな、ガッチリしがみつかれて触れないし取れないしで困惑している表情!ジワジワ登ってこられちゃってヤダどうしよう、って顔!そんな表情のみを捉えた写真で個展を開こうと銀座のギャラリーに行ったらトーキックされました!どひーん!メスカブはこっちで用意すっから場所とカメラ貸してくれよ!あとデルモ!」

と。