僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

素パンク

「今日の部長、頭下げすぎでした。道で素っ裸の老人に。」
「神様かもしれないぜ!もしかしたら神様かもだぜ!」
今の世の中何が起こるかわからない。けど部長と呼ばれる立場の人がそれじゃダメ!という話ですがまあそんなことどうでもいい。部長も神様も風呂上りの徘徊老人もどうでもいい。最近仕事に対する意欲がまるでないのです僕。やる気が全然ない。入社当時のやる気を100としたら最近は多く見積もっても113ぐらいって増えてるな!数字で見ると増えてるな!入社当時からどんだけやる気なかったんだ俺おい!
いや、実際の話ほんと仕事とか面倒くさい。はぁ〜めんどくせぇ〜。息をするのもめんどくせぇ〜。キュイジーヌって言うのもめんどくせぇ〜。帰国した野沢直子を特別扱いするのもめんどくせぇ〜。中村うさぎ、めんどくせぇ〜。そんなことを春に街中でソワソワしてるけど原因は恋だの愛だのじゃない人のようにブツブツ言いながら電車に乗ろうとしたら、袴姿の若いチンコなし人間を発見した。むう、そうか。もうそんな時期か。よく見るとそここに袴姿やリクルートスーツやゴスロリ中年がいるではないか。漆黒のヴェールの禿オヤジに関しては追っかけてってひっぱたいてやったが(説教もしてやった)、そうか、時代は卒業シーズンか。春から新生活かおのれら。社会への希望と夢に満ち溢れてんのか。だがな、やる気が地方場所の千代大海な俺に言わせれば、社会への希望なんて尻の穴だ。やる気がブランチの関根勤な俺に言わせれば、恵敏彰をぶん殴りつつ言わせれば、LiLiCoでぶん殴りつつ言わせれば、仁科仁美森山愛子を影で嘲笑する中川翔子風に言わせて貰えば、社会には夢も希望もないのさ。俺達はただ社会という冷たい海の中を、意味も分からず泳ぎ続ける回遊魚さ。止まったら死ぬ。泳いでいるとなんかプランクトンとか勝手に口に入ってくる。たまにクラプトンも入ってきて「うわ!変なオッサンが口に入った!髭がモジャい!」
ダジャレは腹を裂いて詫びるとして、そもそもおまえら袴着たいだけちゃうんか。袴っていうのは、これまで家庭に縛られ教育など受けられなかった女性が文明開化とともに社会に進出していった、そんな日本社会へのアンチテーゼの象徴としての服装、そうつまりパンク精神ではなかったか。それを貴様等、豚みたいなツラして屁のような袴ゴッコか。新しい社会を切り開いていこうという気概が少しでもあるならもっとパンクな格好で卒業せえよおんどれら。もちろん一般的なパンクファッションはダメだ。あんなのはパンクという枠にはまったクソだ。田舎のおばあちゃんに栄養不足を心配されるだけだ。干し柿持ってけとか言われるぞ。パンクとは既存のスタイルを破壊することにある。卒業式だから袴着るとかサラリーマンだからスーツ着なきゃとか、そんな腐った考えはぶち壊せ!ピアノを着ろ!もう服とかじゃねえの!ピアノ着ちゃってんの!グランドピアノを着ろ!んでアキレス腱を限界まで伸ばして「叩いてみ。私のアキレス腱叩いてみ。」トン「ラー!」トン「ミィー!」トン「どー。」とかそれってパンクでロックじゃんだから俺もこれからは会社に漆黒のゴスロリファッションであーっ!俺はさっき先輩を追いかけてひっぱたいてしまったぁー!あまつさえ「オマエにも子供がいるだろう」なんて説教まで!せんぱーい!自分間違ってたっすー!僕にも漆黒のヴェールを!ヴェールをー!
卒業とか就職をスルーした人に関してはこんな言葉を送ろう。君以外の人にとっては大した問題じゃない。