僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

劉繇奮戦記13「嵐の前」

196年冬。
袁術軍を退け、敵将朱桓を登用することに成功した劉繇たちは、再び会稽の王朗軍に目を向け
これを討ち併合せんと、準備を進めるのだった。


劉繇「はいみんな注目ー。今日から我々と一緒に働いてくれることになった朱桓君だ。
   仲良くしてやってくれ。」


朱桓「どうも朱桓です。適当によろしく。」


陳横「殿、朱桓殿はどのくらいの能力の持ち主なのですか?」


劉繇「はっはっは。彼は武力・統率力だけじゃなく知力もそこそこあって
   さらに弓系の兵法も持ってるしおまけに井闌まで使えてしまうんだ。
   君なんかとは比べるのも失礼なくらいだよ。」


張英「むう、では私と同じかそれ以上ということですな!」


劉繇「いやオマエなんかより全然優秀だから。格が違うから。
   そこのところハッキリさせておきたいからよろしくね。」
   

華歆「それじゃあ朱桓殿がここに慣れるまで、凌操殿がいろいろとお世話をしてあげてください。」


凌操「ええー!何でワイがそいつの面倒を見なあかんのですか!
   そんな高慢チキの相手なんてまっぴらごめんですよ!」


朱桓「こっちだってゴメンですよ。あんな低脳に指図されるのなんて。」


華歆「ヒック。なんや自分ら!わしの言うことが聞けないっちゅーんかい!
   偉くなったもんやなー自分ら。いっぺんしばき倒したろがぁー!」


凌操「じょ、冗談ですよー!これからよろしくな朱桓君!」


朱桓「こ、こちらこそよろしく頼むよ、凌操、君。」


劉繇「ははは、朱桓君がすんなり打ち解けてくれたようで私も嬉しいよ。
   会稽攻めには君の井闌が必要だからね。」


周繒「で、その会稽攻めなんですけど。袁術軍と戦っている間にせっかく減らした
   王朗軍の兵の数がまた増えてますよ。どうします?」


劉繇「むう、王朗軍は2万5千か…。3万を超えると少し厄介だな。」


周繒「また陣を築く振りをして誘き出しますか?」


華歆「いや!ワシの予測じゃともう王朗軍は誘いには乗ってこねーな!」


劉繇「そうなのか?じゃあすぐに総攻撃をかけるか?」


華歆「いや!秣陵から会稽まで井闌で攻めるのはお勧めできねーな!
   どうせなら本当に丹陽に陣を作って、そこを拠点に会稽を攻めたほうが
   いいんじゃねーの?どうよ!」


周繒「正攻法ですね。でもその方が会稽から迎撃部隊が出てきたとしても素早く対応できるし
   いいんじゃないですか?」


劉繇「よし、じゃあそうするか。笮融!張英!兵5千を率いて丹陽に陣を築いて参れ!
   

張英「お任せください!私が百万の兵が攻めてきても決して破られない陣を…」


劉繇「ゴタクはいいから早く行ってこい!それと笮融!建設費用をちょろまかすなよ!」


笮融「ギクゥ!」


196年12月。華歆の予想通り、工作部隊に対する会稽からのリアクションはなく、
無事に丹陽の陣は完成。笮融と張英はそのまま陣に留まり、劉繇太史慈、紀庶、華歆、
そして新入りの朱桓も兵を率いて陣に移動。周繒・陳横・陳蘭と、紀庶に教育させていた
趙譚(チョウタン)には留守を申し付け、いよいよ会稽に攻め込もうとしていた。


(続く)