僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

劉繇奮戦記5「地見屋日記」

194年7月。
新軍師華歆の指導の下、劉繇達は地味に国力の充実を図っていた。


華歆「では今日も私と周繒殿は巡察に行きますので、
   張英・笮融・陳横のお三方と太史慈ロボは兵の訓練をお願いします。」


張・笮・陳「へーい。」


太史慈「心得た!今日は子牛サイズの岩を背負っての片手腕立て伏せと
    水中での無酸素腹筋を100ずつ。あとスクワットを2万回やらせます。」


周繒「太史慈殿!いくらがんばらせても、兵法「かめはめ波」を
   習得することはできないのでほどほどでお願いします!
   ゾンビー軍団を作り上げられても困るので!」
    

太史慈「心得た!」


張英「それじゃあ行ってきまーす。」


周繒「それでは華歆殿、我々も行きましょう。」


劉繇「よし行ってこい。俸禄の分だけキッチリ働けよ。」


華歆「あのー、劉繇様には人材探索をお願いしたいのですが。」


劉繇「えー?マジで?この前も行ったけど何も見つかんなかったじゃん。
   季節はもう秋とはいえ日差しは強いんだよ?UVケアとか大変だしさぁ…。」


華歆「ヒック。グダグダ言ってると耳削ぐぞボゲェ!
   自分の耳を生で食いたくなかったらとっとと行ってこいや!」


劉繇「い、行ってきまーす!」


と、そんな感じで張英・笮融・陳横・太史慈が「訓練」と「徴兵」を担当し、
華歆・周繒が「巡察」、君主劉繇は「探索」を担当することになった。


そしてそんな単調な日々が1ヶ月ほど続いたある日、


周繒「殿!」


劉繇「何だ。探索ならもういやだぞ。いくら探しても人材なんて見つかんないし、
   地域住民が哀れな者を見るような笑顔で小銭とか差し出してくるんだよ?
   同情されてんだよ俺。」


周繒「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!人材がいましたよ!」


劉繇「なんだオマエ、またネットで調べたの?パソコンのやりすぎは良くないぞ。」


周繒「今どきパソコンの一つもできないと再就職もままならないんですよ。」


劉繇「再就職する気かよ!その時俺はどうなっちゃってる予定だよ!」


周繒「そんなことはともかく、寿春に魯粛という奴がいるみたいですよ。」


劉繇「え?魯粛って確か、態度がでかい奴だって聞いたぞ。太っ腹なのが取り柄らしいけど、
   米を借りに来た男に倉ごと米を差し出したって言うじゃん。
   そんなの太っ腹っていうか、頭おかしいよ。」


周繒「態度がでかいぐらい今の軍師に比べればなんでもないじゃないですか。
   なんてったって知力92ですよ?」


劉繇「92!魅惑の90代!そうか、そいつを迎え入れればもう華歆の中の
   ヒス女に大泣きされながらハンドバックでバンバン叩かれることも
   華歆の中のフランスのホモに流し目で尻をなでられることもないな!
   登用してくるぞ!留守は任せた!」


周繒「こっちから言う前に自ら行っちゃったよ…。
   この1ヶ月でパシリが板についてきたなぁあの人。」


寿春。


劉繇魯粛殿!どうか我が軍師として、教えを説いてくだされ!」


魯粛「お話は良くわかりました。では少々お待ちください。」


秣陵。


周繒「あ、お帰りなさい。どうでした?」


劉繇「ちょっと待ってろって言うからずっと待ってたら、どっかに行っちゃった…。」


周繒「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!だせー!」


劉繇「あの野郎今度会ったらただじゃおかねー。」


周繒「あ、どうやら袁術に登用されたみたいですね。」


劉繇「俺の誘いを断ってあんな小者に仕えるとは!」


周繒「その小者に生活を脅かされている奴の言うセリフじゃないですね。」


劉繇「その小者に生活を脅かされている奴の軍師すら務まらない奴が
   偉そうな口利いてんじゃねーよ!弟はあの曹操の軍師になったこともあるのによ!」


周繒「弟は関係ないだろ!弟のことは言うな!」


笮融「まあまあお二人とも、華歆殿も確かにあの人格は厄介ですけど、
   能力的には優秀な軍師なんだからいいじゃないですか。」


劉繇「確かにな。あれでいて華歆はちゃんと考えてくれるからな。
   これからも軍師として重く用いることにしよう。」


華歆「あっ!こんな所にいたのね!私に黙ってどこに行ってたのよ!
   他の女のところでしょう!この浮気者!幸せにしてくれるって言ったのに!
   バカバカバカバカー!」


周繒「………重く用いるんですよね?」


劉繇「………。」




続く。