僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

劉繇奮戦記2「秣陵より愛を込めて」

194年6月。
秣陵を本拠地とする劉繇と部下5人(内ロボット一体)は
今日もいかにこの乱世を平定するかに頭を悩ませたり
仲良く馬跳びをしたり一冊のジャンプをみんなでまわし読みしたりしていた。



劉繇「しかしどうにかならんものかなぁ…。」


張英「ですよねぇ…。」


劉繇「お、長英君、ワシの案じている事がわかるかね。」


張英「わからいでか!心中お察しするに余りあります!」


劉繇「そうか。ならばそちが何とかしてくれんかね?」


張英「お任せください!ここは私が決然と編集部に直訴して、
   作者の考えを改めさせてごらんにいれます!」


劉繇「………君、何言ってる?」


張英「は?殿は最近のワンピースの無道ぶりを案じておられたのでは?」


劉繇「……バカだろオマエ。」


張英「編集部宛じゃなくて直接作者に手紙でも送ったほうがいいですかね?」


劉繇「厄介なファンじゃねーかそれ。そんなこと案じてないよ!
   確かにやりたい放題な気がするけど!ノリノリすぎるけど!
   最近じゃデスノートの方が楽しみとかそういう話じゃないんだよ!」


張英「ボーボボはアリかナシかって話ですか?」


劉繇「個人的にはアリ!ってバカ。このバカ。」


張英「まさか!いちご100%の主人公の優柔不断ぶりに業を煮やして!」


劉繇「オマエの人生は少年ジャンプかよ。そこから離れろよ。」


張英「ヤンジャンはイマイチ読むのがないんですよね。」


劉繇「なんでジャンプと共に歩んでるんだよ。今ならスピリッツとか
   モーニングとかあるだろ。って違うんだよバカバカ!」


張英「じれったいなはっきり言えよ。」


劉繇「ぶっ殺すぞコイツ。ウチにはオマエみたいな奴しかいないから
   悩んでるんだよ!人材が不足してるんだよ!」


陳横「殿、さればお耳に入れたき議が!」


劉繇「お、ヨコチン!何かあったのか?綺麗な石でも拾ったの?よかったね☆」


陳横「違います!近所の子供達の中での一番年下の子みたいな扱いは
   やめてください!あとそのアダ名も!」


劉繇「じゃあどうした?オヤツはまだだぞ。」


陳横「人材の話ですよ!」


劉繇「マジで!?人材を見つけてきたのか?」


陳横「は!昨日私が長江のほとりでザリガニ釣りをしていたところ、
   悠然と川面に釣り糸を垂れたる人品卑しからざる白髪の翁が!」


劉繇「むう!もしや太公望!?それでそれで?」


陳横「は!そこで私が後ろから肩を叩いて「ジイさん釣れてる?」と
   極めてフランクに声をかけたのに不機嫌そうな顔をしたので
   処断してきました!いやー、有能な人材ってなかなかいないですね!」


劉繇「いたよ!オマエが処断する寸前までいたはずだよ!この粗チン!」


笮融「殿!実は私も昨日、仙人風の老人に会いましたが、私はしっかり獲得しましたぞ!」


劉繇「お、笮融!誰を連れてきたんだ?」


笮融「はい、橋の上からその老人が自分の靴を放り投げて
   それを拾ってこいなんて無礼なことを言うもんだから
   そのジジイを川に蹴り落として、ジジイの靴を獲得してきました!
   まだ履けますよ!儲けました!」


劉繇「その目先だけの強盗癖をどうにかしろよオマエは!」


周繒「はいはいはいはい、何を騒いでいるんですかバカども。」


劉繇「おお軍師!聞いてくれよコイツ等てんで役に立たないんだよ。」


周繒「はいはい人材の話ですよね?私が昨日エロ動画の収集がてら
   ネットでチョロっと検索したところ、
   寿春のあたりに華歆という人物がいるみたいですよ。」


劉繇「ネットって便利だなおい。で、その華歆てのは使える奴なの?」


周繒「なんでもめっぽう酒が強いらしくて、一石飲んでもいつもと変わることなく
   シャキっと座っていられることから、「華独座」なんて言われてるらしいですよ。」


劉繇「いまいち凄さが伝わってこないけど、能力は高いんだろうな?」


周繒「なんでもあの邴原・管寧らと並び称され、この三人をさして
   「華歆は龍の頭、邴原は龍の腹、管寧は龍の尾」なんて言われているそうです。」


劉繇「いや、邴原と管寧を全然知らないからそれもイマイチわからないんだけど、
   それほどまでに言われてる奴が何でその辺をウロウロしているんだ?」


周繒「前まで袁術の元にいたそうですが、袁術に見切りをつけたらしいですよ。
   ちなみに正史では孫策にも曹操にも仕えています。」


劉繇「おいおいそんな変節漢を登用して大丈夫か?」


周繒「実務派であるのは間違いないですよ。」


笮融「そうですよ!何度主君を変えても能臣は能臣ですよ!」


劉繇「オマエは違うけどな。」


張英「でも確か、演義ではとことん悪役ですよ。」


劉繇「マジで?けっこうヤバイ奴なの?」


周繒「でも正史では見識も徳もある清廉潔白の人ですよ。」


笮融「そうですよ!それに少しぐらい悪名があってもいいじゃないですか!」


劉繇「オマエの悪行は目に余るけどな!」


周繒「武力はからっきしですけど、知力は80代ですよ。」


劉繇「おお!夢の80代!登用決定!誰か登用して来い!」


周繒「一番政治力が高いのは確か劉繇様ですよね…。」


劉繇「しょーがねーなーもー!俺が行けばいいんだろ!
   バッチリ登用してくるから、テメー等は兵の訓練でもしてろよ!」


周・笮・張・陳「へーイ。」



その頃、対乱世用人型ロボット太史慈
街の露天商で売られている起き上がりこぼしを見つめては
頭から大きなハテナを出しているのだった。

(続く)

(まだ1ターン分も話が進んでいない…。)