僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

劉繇奮戦記1「太史慈大地に立つ」

シナリオ3「呂布のエン州強奪と小覇王出陣」
劉ヨウ(秣陵) 
史実モード・上級・討ち死にアリ。他勢力の武将の引き抜き無し。
他勢力に兵糧+10万。


劉繇「戦乱渦巻くこの中華の地を平定すべく、一人の男が立ち上がった。
   楊州の刺史で姓は劉、名は繇、字は正礼。
   青州東萊郡の人。斉の考王の末裔で元エン州刺史劉岱の弟。
   賊に捕らえられた従父を助け出したことで名を馳せた男である…。」


周繒「そして、現在は袁術に寿春を追われて楊州に逃げ込み、
   小覇王孫策に攻め寄られて風前の灯火…。」


劉繇「っせーよバカ!これから巻き返すんだろバーカ!バぁーカ!」


周繒「ボキャブラリーも貧困…。」


劉繇「おい誰か手頃な牛を持って来い。こいつ車裂の刑。」


周繒「冗談ですよ殿!冗談!こっから巻き返すんですよね!」


劉繇「そうだ。我が威徳を持って民を安んずるのだ。
   とりあえずは兵を集めて袁術のアホに目に物見せてくれる。」


周繒「あ、それは無理ですよ。絶対無理。」


劉繇「へ?なんで?」


周繒「だって国力がハナクソ並みですもの。
   食糧事情も財政も人口も半生のハナクソ並みです。」


劉繇「半生か…。」


周繒「グミタイプですね。」


劉繇「じゃあまず内政の充実を図ろう。」


周繒「それがいいと思いますよ。」


劉繇「よし、じゃあ配下の武将全員に直ちに集合をかけろ!」


周繒「いや、もう全員そろってますよ。」


劉繇「え?お前と俺を含めてここには5人しかいないみたいだけど…。」


周繒「はい。5人で全部です。」


劉繇「マジかよ…。」


張英「殿!5人だけと案ずるなかれ!私がいれば百人力です!
   全て私にお任せください!百万の敵でも防いでみせましょう!」


劉繇「周ちゃん、あいつ誰?」


周繒「あ、あいつは張英という、兵を率いればそこそこ頑張りますが
   内政に関してはからっきしで、大言を吐く癖がある男です。」


劉繇「口だけ男ってこと?」


周繒「そんなところですね。」


陳横「殿!私を忘れてもらっては困りますぞ!」


劉繇「あいつは誰だっけ?」


周繒「奴は張英と同じくらい粗忽者で張英以上に地味な武将陳横です。
   この掃き溜めのような劉繇陣営の中においてもひときわ使えない男です。」


劉繇「つまりザコってこと?」


周繒「無能とも言いますね。フランス語で言うとヤクタダドゥーです。」


劉繇「ヤクタダドゥーか…。」


陳横「ひ、酷いっ!」


笮融「劉繇様!財政のことなら私にお任せください!」


劉繇「お、頼もしい言葉!もしかして君は簿記1級?」


笮融「簿記検定は受けていませんでしたが
   陶謙様の下でも物資の輸送などを任されていました!」


周繒「そしてその物資を強奪し、豫州太守の朱皓も殺しています。」


劉繇「おちおち昼寝もできねーよ!まるっきり強盗じゃねーか!」


周繒「そのくせ巨大な寺院を建設して仏教徒ぶっています。」


劉繇「なんだ、浮屠の教えを学んでいるのか。」


笮融「いえ、なんか最近はやってるみたいなんでオシャレかなーって。
   オリエンタル?みたいな?」


劉繇「ろくな奴がいねえ…。」


周繒「ちなみに軍師は私が務めます。」


劉繇「……は?」


周繒「は?ってアンタ、さっきから私が助言してるでしょ?」


劉繇「おまえが軍師?マジでか?
   おまえ知力いくつで軍師とか言っちゃってんのよ。」


周繒「そりゃ所詮知力70代前半ですけどね、
   このショボ面子の中じゃダントツでトップですよ。」


劉繇「おいおいホントかよ〜。先行き思いやられ〜。」


周繒「知力30の奴に言われたくねーよ。」


劉繇「だとコラ!政治力は俺がトップなんだぞ!」


周繒「アホか。君主のくせしてコツコツ働く気マンマンじゃねーか。」


劉繇「言ったなテメ!そもそもオマエは王朗の配下じゃねーのかよ!」


周繒「バーカ!史実と演義をごっちゃにしてんじゃねーよ!
   だから知力30なんだよ!」


笮融(「このゲームは完全にごっちゃになってると思うけどな…。」)


劉繇「誰か牛!活きのいい牛持って来い!バハムートを召還しろ!」


陳横「まーまーお二人ともここはこの陳横に免じて…」


劉繇「ザコは黙ってろ!」


周繒「このヨコチン!」


陳横「酷いっ!」




劉繇「ところで俺思ったんだけどさ…。
   この面子だとさ、内政はおろか、戦もままならいんじゃないの?」


周繒「さすが殿!いいところに気がつきましたな!」


劉繇「いつまでも気がつきたくなかったよ。」


周繒「内政も外交もいきなりピンチです。」


劉繇「おまえ軍師なら何か策があるんだろうな?」


周繒「え?」


劉繇「策。」


周繒「私はどうせ知力70代前半のヘボ軍師ですから
   そんな大局を見越した方策などとてもとても…。」


劉繇「ったくしょうがねーな。それじゃあここは俺の秘密兵器を出しちゃおうかな。」


張英「私でありますか?」


劉繇「おまえはちょっと黙ってろ。」


陳横「ええっー!わ、私ですかぁー!?」


劉繇「おまえはちょっと死んでろ。」


陳横「ヒドイッ!」


周繒「え、マジで何か秘密兵器があるんですか?」


劉繇「ふっふっふ、見て驚くなよ。私がまだ東萊郡の一書生だった頃に密かに開発した、
   対乱世用人型ロボット、その名も太史Gだ!」


太史慈太史慈でござる。以後見知りおきたまえ。」


陳横「うおー!」


笮融「つ、強そうだ!」


張英「紙一重で俺より強い可能性もあるかも!」


周繒「いやブッチギリで強いだろ。確実に。」


劉繇「ふふふ、こいつはただパワーに優れるだけでなく、
   弓術にも秀でているから攻城戦もお手のものだ!」


太史慈「城郭の上の敵兵の兜を射抜くこともでき候。」


劉繇「なんせあの曹操が太史Gと薬草を交換してくれって
   言ってきたくらいだからな!もちろん断ったけど!」


周繒「なんでそんな便利なロボを今まで使わなかったのですか?」


劉繇「いやそれがね、こいつのスイッチを入れたとき、
   最初に見た動くものを主君だと信じるように
   設定しておいたんだけどさ。スイッチを入れたときに
   ちょうどヤクルトおばさんが来ちゃって、
   そのおばちゃんを自分のお母さんだと思っちゃったのよ。
   それで今までずっと東萊でヤクルト配るのを手伝ってたんだよ。」


周繒「近年稀に見るマヌケな話ですね。」


劉繇「でもこいつがようやく来てくれたからにはもう安心だ!」


周繒「ロボットなら文句も言わずに働いてくれますね!」


劉繇「おうよ!兵の訓練も城の改修もチョチョイのチョイよ!」


周繒「内政もガンガンやってもらいましょう!」


劉繇「え?」


周繒「え?」


劉繇「内政?」


周繒「内政ですよ。だってロボなら頭脳もバッチリでしょ?
   内政はさしあたっての急務だし。」


劉繇「あーそれは無理。だって太史Gの動力はクジラのヒゲだもの。」


全員「か、からくり人形ー!?」



かくして、劉繇とその部下たちの天下取りが始まった。
ときに194年6月のことである。
(長ぇ…。しかも全部セリフ形式になっちゃった…。)