僕がツィッギーだった頃

魚は頭から腐る。靴下は踵から穴開く。

田無迷走

「そんな野球バカなら、
 道作ってやれよ!!何とかしてやれよ!!」


どうも、コンビニで泣きそうになりながら
マガジンを立ち読みしていた男です。


昨日、ネット上でとある人から
素敵なお店の存在を聞きました。
なんでもそのお店に行けば
他ではとてもお目にかかれない
貴重なアイテムが格安で売っているというのです。


オシャレな雑貨やナンセンスな小道具。
洋服が透けて見える眼鏡や、
つけるだけでモテモテになる香水。
ボタンを押すと嫌いな奴が
実世界からも記憶からも消えるスイッチや
振るだけでアイコラ写真が
ワサワサと出てくる打ち出の小槌。
さらには、のび太の家にネズミが出て
ドラエモンがパニックに陥ったときにのみに
ポケットから取り出す
核のマークが入った恐ろしげな爆弾や
「マッスルマッスル、ムッキムキー。」
と唱えて数回持ち上げるだけで
みるみるマッチョになれる鉄アレイなど、
魅惑の商品が所狭しと並んでいるというのです。


情報提供者いわく、
「早く行かないと全部売れちゃうかもなー。
 明日あたりお忍びでマンガの森に
 ドルフィンクラブを買いに来たビル・ゲイツ
 ふらりとあの店に立ち寄って
 全部買い占めちゃうかもしれないな〜。」
とのことですので、
これ以上あのニセデリカットに
一人勝ちされちゃあたまらないと
早速今日そのお店に行ってきました。
車で散々道に迷って3時間近くかかりましたが
人生の勝ち組になれる商品を買い占めるためなら
どうってことない苦労です。



定休日でした。



はめられた。まんまとはめられた。
全ては僕を陥れる罠だったのです。
きっといつも教室の隅っこで
日野日出志の漫画ばかり読んでいる僕を見て、
「ちょっとからかってやろうぜ。ニヤリ。」
と、優等生の仮面の下に隠した
悪魔の心をさらけだし、
僕を餓鬼と蛆虫がウヨウヨしている
干乾びた肥溜めのような地獄に
突き落としたのです。
きっと今頃クラスの
オキャンピーな女子たちと一緒に
一部始終を撮影したビデオを見て笑いながら、
代議士を務めている父親の書斎からくすねてきた
高級ブランデーを飲んでいるに違いありません。
僕の純粋な心もプライドもズタズタです。


…コノ恨ミハラサデオクベキカ
ソレトモ家デナイターデモ見テヨウカ。
流レ的ニ恨ミハラシトクカ、トリアエズ。


というわけで裁判ですよ。
O.Jもオススメのドリームチームで
法の裁きを下してやるのです。
請求する損害賠償額の内わけとしては
ガソリン代500円。
途中道を聞くためによったコンビニで
道を聞いてそのまま店を出るのも嫌なので
飲みたくもないのに買った缶コーヒー代120円。
都内で僕を迷子にさせて
心細い気分にさせた代2億円。
本来なら僕はモテ香水をゲットして
カップギャルを10人以上はべらせ、
全裸にして横一列に並ばせて
右端の女の子の左オッパイを右オッパイに当てて
その右オッパイが隣の女の子の
左オッパイに当たり、それが最終的に
左端のボインちゃんの右ボインまで
伝わるのを確認して
「これが慣性の法則じゃよマモル君。」
と、夜の教育テレビをしていたはずなのに
それができなくなってしまった代8億円。
トータル10億620円です。



覚悟していろ!
今度は貴様が地獄を見る番だ!
あと、また行きますのでヨロシク!
これからも仲良くしてください!
それじゃあ失礼します!